ライズはトヨタの最小クロスオーバーSUVとして2019年11月に発売されました。
登場以来人気を集め、あっという間にベストセラーカーになってしまいました。
ライズはダイハツが製造してトヨタにOEM供給していますから、SUVにとって重要な4WD性能は気になるところです。
ここではライズの4WDシステムについて説明したうえで、その性能に対する評価を、雪道、燃費の面でチェックしていきます。
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ライズの4WDシステム
ライズに搭載されている4WDシステムは「ダイナミックトルクコントロール4WD」といいます。
2WDと4WDを電子制御で自動的に切り替え、発進時や滑りやすい路面では、各種センサーやVSC (車両安定化制御システム) からの信号をコンピューターで処理し、最適なトルクを後輪に配分します。
通常の走行では後輪の駆動トルクを下げて2WD状態になりますから燃費は良好ですし、滑りやすい路面の旋回時には後輪へのトルク配分と内輪ブレーキとの協調制御で安定したコーナリングを実現します。
前後輪へのトルク配分は、マルチインフォメーションディスプレイに表示されますので、作動状況を確認することができます(Xを除く)。
引用元:https://toyota.jp/raize/
ダイナミックトルクコントロール4WDはトヨタが開発したシステムです。
主にSUV車以外に搭載されているアクティブコントロール4WDに加え、コーナリング時に車速、舵角等の情報からドライバーの意図を予測し、走行状態に応じて駆動力分配を制御する優秀なシステムなのです。
ライズの雪道での4WD性能に対する評価
まず、そんなライズの4WDの雪道での性能を口コミから見て、評価を考えていきましょう。
- ライズの雪道での4WD性能に関する口コミ
- ライズの雪道での4WD性能の評価は
ライズの雪道での4WD性能に関する口コミ
まず、ライズの雪道での4WD性能に関する口コミを見ていきましょう。
- 最低地上高が高く4WD性能も高いので、この冬は大雪だったが、一度もスタックしていない
- 街中のアイスバーンで停止からの発進は問題なく、郊外のアイスバーンや圧雪でも安定しているが、シャーベットだと車体の軽さのためか足を取られる
- 雨、雪が降っている坂の途中で再発進する時など 前に乗っていたタンクは滑る事があったがライズは滑らない
- 上り坂の凍結路で停止して強めにアクセル踏んでも、タイヤの空転もなく発進する
- ブラック・アイスバーンでの信号待ち後の発進で、車体が軽いためか驚くほど滑ったし、急ブレーキではない程度の制動で滑って衝突しそうになった
- ライズは車両重量の軽さと最低地上高の大きさが4WD性能を活かしている
- 凍って歩くのも大変な時に、試しに登り坂で一旦停止して強めにアクセル踏んだところ、TRC効が効いて空転することなく発進できた
- アイスバーンで40キロぐらいから、急ブレーキを踏んだらさすがに滑るがコントロール可能
- 除雪した雪道なら前輪90後輪10くらいで走るので燃費は良さそうで、走行性能は全く問題ない
ライズの雪道での4WD性能の評価は
4WDに限らずライズの最低地上高は185mmもあります。
本格SUVなら200mm以上はありますが、クロスオーバーSUVとしてはかなり高い部類です。
ヤリスクロスが170mm(GRスポーツは160mm)、カローラクロスが160mm、C-HRが140mmですから、雪道の走破性では有利です。
肝心の4WDについてはダイナミックコントロール4WDで、これはRAV4の一部に搭載されているダイナミックトルクベクタリングAWDを除けばトヨタの中で最も性能の高い4WDです。
ライズの雪道での問題は4WDでも1トンちょっとという車体の軽さです。
軽い車体はタイヤに荷重がかかりませんから、発進時、あるいは直進走行時には重い車に比べて不利と言われています。
アイスバーンでの発進で滑るという口コミがあったのもおそらくそのせいです。
ただ、坂道では車重で下方に引っ張られる力が加わるため軽い車の方が発進しやすいといいます。
また、コーナリング時は重い車ほど大きな遠心力が加わるため、軽い車の方が圧倒的に有利です。
ブレーキではJAFのテストでも、軽い車ほど制動距離が短いという結果が出ています。
口コミを見てると、発進時に滑るというレビューはありますが、滑らないというものの方が多く、坂道で滑らないのは4WDに加え車体の軽さも効いているのでしょう。
ブレーキ時の滑りの口コミもありますが、ライズで滑るということはおそらく他の車でも滑っているのではないでしょうか。
口コミ全体を見ると、ライズの雪上での4WD性能はかなり優秀とみていいでしょう。
ライズ4WDの燃費性能に対する評価
では、ライズの4WDの燃費性能を口コミから見て、性能を評価していきましょう。
- ライズ4WDの燃費性能に関する口コミ
- ライズ4WDの燃費性能の評価は
ライズ4WDの燃費性能に関する口コミ
ライズ4WDの燃費性能に評価を口コミから見ていきましょう。
- 一般道を時速50~60キロで信号が少なくスムーズな状況でもリッター14.5~16キロしか走らない
- 高速走行時の燃費はいいが、時速100キロを超えると急速に悪化する
- リッター14キロくらいで、ガソリン車のSUVにしてはにしては燃費がいい方
- 街乗りでリッター13キロ、高速で17から18キロだが正直、もう少し走って欲しいというのが本音
- コンパクトカーにしては良くなく、HVとは比べるまでもないが、燃費で選ぶ車ではない
- ターボはいえ1Lなのでリッター15~16キロを期待したが、現実は13キロちょっと、タンクと同じで設計の古いエンジンで直噴でもないので仕方ないかな
- 日常の通勤や買い物に使ってリッター11キロは残念
- 1Lにしてはかなり悪いものの、1.5Lと思えば納得できるが、シーケンシャルの制御が効き過ぎて高いギヤを選ばせてくれない
- 平均してリッター14~15キロなので、このクラスのSUVならいい方だが、長距離を走らないと伸びない
- 通勤距離が1.5キロでほぼ毎日運転して、燃費が悪くて(リッター7~8キロ)がっかりして、トヨタのディーラーにも相談したが、理由がわからずじまい
- それほどよくないが、4WDだからしかたがない
ライズ4WDの燃費性能の評価は
ライズのカタログ燃費はWLTCモードでガソリン車では2WDがリッター20.7キロ、4WDが17.4キロです。
2WDは1.2Lの自然吸気エンジン、4WDは1Lのターボエンジンですから、最近の潮流では1Lターボエンジンの方が燃費がいいものですが、実際にはかなり水を開けられています。
4WDの場合は車両重量が70キロほど重くなります。
車両重量10キロの増での燃費悪化は0.3~0.4%といいますから、70キロなら2~3%の悪化にしか過ぎません。
これだけの差がある原因はターボエンジンのベースとなるエンジンの設計の古さとターボを燃費改善ではなくパワー重視に振ったせいなのでしょう。
その点では、このターボエンジンからハイブリッド車と同系統の自然吸気エンジンに切り替えた2WDのカタログ燃費は、リッター18.6キロから20.7キロに大きく改善しているのです。
ちなみにライズ4WDの実燃費はリッター16キロ程度で、2WDは17.5キロ程度と言われていますから、カタログ燃費からの落ち幅は小さいと言えます。
また、ヤリスの4WDと同じくらいで、ヤリスクロスよりはかなりいいようですから、4WDとしてはまずまずではないかと思われます。
ただ、口コミを見ても、ライズの4WDを1リッターカーとして見ている方が多いようで、燃費については厳しい見方をされる場合が多いのでしょう。
ルーミーなんか、同じエンジンでもリッター14キロ弱しか走らないのに、ミニバンだから燃費が悪いなんて言われていないのです。
まとめ
ライズ4WDの雪道での性能は高性能な4WDシステムの搭載でまずまずのようですし、軽量な車体のおかげで雪の坂道での発進にも問題はなさそうです。
トルク配分と制動の協調制御と軽い車体のおかげで雪道の旋回性能も高いのですが、もちろん4WDはすべてをカバーしてくれませんし、滑りだしたらどうしようもありません。
ライズ4WDが優秀だといっても、あまり過信しないようにした方がよさそうです。
また、燃費についてはライズ4WDはかなり優秀ですが、さすがに1Lエンジンの車だからと過剰な期待をするとかわいそうですね。