日産ノートはリコールが多いって他車と比べてどれくらい?

日産の人気車種ノートは、E12にしろ、現行モデルのE13にしろ、これまでに多数のリコールが発生しています。

リコールは車をちゃんとした状況に戻すものですから悪いことではありません。

しかし、ノートの品質にかかわるようで、気になってしまいますよね。

この記事では、日産ノートはリコールが多いのかをチェックし、どんなリコールが発生しているのかを見ていきます。

また、日産の他の車種やライバル車のリコール情報もチェックし、本当にノートのリコールは多いのか、多いとすればどんな事情なのかを考えていきます。

ノートユーザー、これからノートを買おうとしている方の参考になれば幸いです。

  • 日産ノートのリコール件数や内容
  • 日産の他車種のリコール件数との比較
  • ノートのライバル車との比較
  • ノートのリコールが多い理由と改善対策、サービスキャンペーンとの違い

新車を安く購入する値引以外の方法!

新車を購入する時、「出来るだけ安く購入したい!」と思いませんか?

昨今の新車は安全装備の充実等により軽自動車でも200万円超えは珍しくありませんし、以前では300万円台の車種も500万円以上に価格が跳ね上がっていることも珍しくなくなりました。

だからこそ、出金を減らしたいと思うのも無理はありません。

出金を減らす手段は「値引き」だけではありません。

人気車種やモデルチェンジ直後など例え値引きが渋くても諦める必要はありません。

知っている人は「なんだあの方法か!」と思うかもしれませんが、知らない人にとっては「そんなに違うの?」というものです。

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日産ノートのリコールは多い?どんなもの?

日産 ノート リコール 多い

最初に、日産ノートのリコールは多いのか、具体的にどんなリコールなのかを見ていきましょう。

  1. 自動車のリコールとは?
  2. 日産ノートのリコールは多い?
  3. 代表的なリコールをチェック!

自動車のリコールとは?

まず、自動車のリコールとはどんなものかです。

国土交通省の説明は以下のようなものです。

設計・製造過程に問題があったために、自動車メーカーが自らの判断により、国土交通大臣に事前届出を行った上で回収・修理を行い、事故・トラブルを未然に防止する制度

https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/report.html

「道路運送車両法」に明確に規定されています。

「自動車の構造、装置又は性能が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合していない状態にあり、かつ、その原因が設計又は製作の過程にあると認める場合」が対象です。

この場合、改善措置も含め国土交通大臣に届け出なければならないのです。

https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/faq_sub/answer018.html

「保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合していない状態」としていますから、塗装や内装の問題は対象外なのだと思われます。

もちろん、放置するわけではなく、後述するサービスキャンペーンなどで対応しています。

なお、リコールについては保証期間等の縛りはありませんので、製造後かなり期間が経過しても対応される場合もあります。

日産ノートのリコールは多い?

次に、日産ノートのリコールは多いかです。

日産のWebページから、ノートのリコールをピックアップしてみましょう。

2024年10月1日を基準日として、過去5年間を見ていきます。

届出日 対象期間 台数 内容
2024年10月3日 2023年12月11日
~2024年2月19日
6,671台 降車時オートロック機能作動灯の点灯時間不適切
2024年2月1日 2021年1月7日
~2023年10月13日
592台 助手席回転シート架装車の取扱説明書のチャイルドシート搭載時に関する注記の記載漏れ
2023年7月14日 2017年8月21日
~2022年8月31日
141,725台 クルーズコントロール等による走行終了直後の意図しない加速
2023年7月14日 2016年8月25日
~2020年10月6日
314,912台 発電用エンジンのホースの劣化防止パーツの不良による発電停止(走行不能のおそれ)
2022年12月1日 2018年8月21日
~2020年7月28日
4,856台 リチウムイオンバッテリ内部ヒューズ仕様設定が不適切によるモータへの電力供給停止(走行不能のおそれ)
2022年10月6日 2016年10月28日
2019年12月13日
34台 パーキングロックが作動しない
2021年6月10日 2020年11月12日
~2021年2月15日
11,317台 配光可変型走行用前照灯と同時に点灯すべきすれ違い用前照灯(ロービーム)が消灯
2021年6月10日 2020年11月12日
~2021年3月10日
27,321台 エンジンマウントブラケット取付ボルトの取付方法が不適切で(走行不能のおそれ)

5年間で8件ですね。

その前の5年間も8件ですが、さらに前の5年間は2件です。

ノートはスーパーチャージャーやe-POWERなどの新技術を新たに投入しています。

また、2020年のフルモデルチェンジでは既存の技術を単純にテイクオーバーしていません。

そのあたりが、リコールが比較的多い理由かもしれません。

代表的なリコールをチェック!

次に、代表的なリコールをチェックしておきましょう。

e-POWER関連

e-POWER関連は3件ほどあります。

2023年7月14日の2件のリコールは以下のようなものです。

  • 発電用エンジンのホースの劣化防止パーツの不良(寸法の不足)のため、覆われていないところが劣化して、エンジンが始動せず走行できなくなるおそれ
  • モーター出力制御プログラムの不備により、クルーズコントロール走行を終了した直後に意図しない加速をするおそれ

また、2022年12月1日付のリコールはNISMO-S仕様特有で、以下のようなものです。

  • リチウムイオンバッテリ内部ヒューズの仕様設定が不適切なため、早期に劣化する場合があり、モータへの電力供給が停止し走行不能になるおそれ

ノートは、日産初のシリーズハイブリッドであるe-POWERを初めて搭載した車です。

それもあって、このようなリコールが発生したのでしょう。

しかし、走行不能や意図せぬ加速など、「おそれ」があるということで必ず発生するわけではありませんが、結構深刻なリコールですね。

特に、2023年7月14日の発電用エンジンのホースの劣化防止パーツの不良については、対象も314,912台と多く、内容も深刻でした。

そのため、「e-POWERとEVの設計審査に甘さ」などと批判的な記事も見受けられました。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/08225/

電装系の不具合

電装系の不具合は2件です。

2024年10月3日のリコールの内容は以下のようなものです。

  • 制御プログラムの不適切により、降車時オートロック機能作動灯の点灯時間が保安基準を満足していない

おそらく、使用上はそれほどの問題はないのでしょうが。保安基準に適合しないとだめなのです。

また、2021年6月10日の2件のうち、こちら関係のリコールの内容は以下のようなものです。

  • 制御プログラムの不適切により、 特定条件下で配光可変型走行用前照灯と同時に点灯すべきすれ違い用前照灯が消灯

配光可変型走行用前照灯というのは、ハイビームアシスト/アダプティブLEDヘッドライトシステムのことだと思われます。

配光可変型走行用前照灯ON、フォグランプONの状態でライトスイッチをスモールにした場合に、本来なら同時に点灯すべきすれ違い用前照灯(ロービーム)が消灯するのだそうです。

これはフォグランプを単独点灯させようとする操作で、動作自体は正常なのですが、保安基準上はダメらしくて、対策ではそんな操作ができないようにするようです。

エンジン関係の不具合

エンジン関係の不具合は1件で、最悪走行不能になるおそれがあるというものです。

2021年6月10日のもう1件のリコールで、内容は以下のようなものです。

  • エンジンマウントブラケット取付ボルトの取付方法の不適切によりボルトが緩んで破断し、エンジンが傾いて異音が発生し、ドライブシャフトが抜けて走行不能に至るおそれも

エンジンが傾いて、最悪の場合、ドライブシャフトが抜けるというなかなか怖いトラブルです。

フルモデルチェンジから4カ月間ですから、初期の取付方法が不適切であったということでしょう。

規定トルクできちんと取り付ければ全く問題ないようなのですけどね。

パーキングロック関係の不具合

パーキングロック関係の不具合は1件です。

2022年10月6日のリコールの内容は以下のとおりです。

  • パーキングロックの組立工程の不適切のためパーツの異品が組み込まれたものがあり、作動せしなかったりPレンジから動かず、最悪の場合、駐車ブレーキを掛けていないと車両が動くおそれ

「補修用の減速機の製造工程」という条件があるので、対象車数は34台ほどです。

駐車時には普通はパーキングブレーキをかけますが、かけ忘れることもあり得ますので、これはこれで深刻なトラブルではあります。

マニュアル不記載

2024年2月1日のリコールは福祉車両限定で、内容は以下のようなものです。

  • 助手席回転シート架装車の取扱説明書のチャイルドシート搭載時に関する注記の記載漏れ

具体的な内容は不明ですが、助手席回転シートにはチャイルドシートが装着できないので、その記載が抜けていたのかもしれません。

安全性にはそう影響はないように思いますが、マニュアルに記載がないと保安基準に適合しないのでしょう。

2019年10月1日以前の大きな不具合

2019年10月1日以前にも対象台数が多かったり影響が大きかったりするリコールがいくつかありましたが代表的なものは以下の案件です。

2019/04/11

  • 製作期間:2012年7月25日~2019年2月1日
  • 対象台数:745,372台
  • 内容:フロントサスペンションのコイルスプリング形状不良により、 最悪の場合、コイルスプリングが折損するおそれ

対象台数が何と言っても多いです。

また、コイルスプリングが折損すると他の金属部分に接触して異音が発生し、乗り心地は最低になります。

また、最悪の場合タイヤのパンクやバーストにもつながりかねません。

多いという日産ノートのリコールを他車と比べてみる

日産 ノート リコール 多い

では、多いという日産ノートのリコールを他車と比べてみましょう。

  1. 日産の中ではどう?
  2. ライバル車と比べてどう?
  3. リコール情報の確認方法は?
  4. 改善対策やサービスキャンペーンとの違いは?

日産の中ではどう?

まず、日産の中ではどうかです。下記のリコール件数は、2012年から2024年までの期間を対象に集計しています。

車種 件数 主な内容
ノート 20件 e-POWERシステムの不具合、ブローバイホースの亀裂など
セレナ 28件 エンジンルームの配線不備、電子制御装置の不具合など
エクストレイル 21件 エアバッグの展開故障、排気ガスセンサーの不具合など
キックス 4件 電気系統の配線不具合、エンジン制御モジュールの不具合など
キャラバン 25件 ブレーキシステムの不具合、燃料ポンプの不具合など

これを見るとノートも多いのですが、セレナやキャラバンはもっと多いですね。

直近5年間に限っても、セレナの11件に対してノートは8件です。

とはいえ、それでも多いのは確かです。

セレナにしてもノートにしても、プロパイロットやe-POWERなんかで先頭を走ったせいかもしれませんね。

ライバル車と比べてどう?

次に、ライバル車と比べてどうかです。

ノートのライバル車といえば、トヨタならアクア、ホンダならフィット、マツダならMAZDA2といったところかと思います。

ここも2012年から2024年までの期間を対象に集計しています。

車種 件数 主な内容
ノート 20件 e-POWERシステムの不具合、ブローバイホースの亀裂など
アクア 4件 ハイブリッドシステムの不具合、後部座席ベルトの不具合など
フィット 33件 エアバッグの展開故障、排気ガスセンサーの不具合など
MAZDA2(デミオ) 10件 エンジン制御装置の不具合、エアの不具合、ドアロックの不具合など

メーカーによってリコールへの対応方針に違いがあるので比較は難しいところがありますが、ライバル車と比べてもノートのリコールは多めです。

ヤリスの過去5年間を見てもノートよりはわずかに少ないですものね。

ホンダはリコールの対応が早いといわれており、フィットの「リコール件数が多い=品質や技術に問題がある」と単純に判断するのは早計でしょう。

最近の傾向として、ハイブリッドシステのリコールが増加しており、日産のe-POWERシステム関連は新しい技術であるため、他メーカーと比べてリコールの頻度がやや高くなっているのかもしれません。

トヨタやホンダはリコールの対応速度が速い傾向にあり、日産もこれに追従して迅速な対応を行っているといいます。

リコール情報の確認方法は?

次は、リコール情報の確認方法はどうなのかです。

日産ノートに関するリコール情報は、日産の公式ウェブサイトや国土交通省のリコールデータベースで確認できます。

「日産 リコール」と検索すれば「日産:リコール情報 – 日産自動車」というページが出てきます。

「リコール等対象車両の検索」というところがありますので、車検証を持ってきて、車台番号を入力して検索すれば、該当のリコールが出てきます。

これはどこのメーカーでも同じで、とても簡単に検索できるのです。

ただ、一般的には車両の所有者には通知が送られるため、通知を見逃さないようにしましょう。

リコール対象車両の場合、当然のことながら無償で修理を受けることができます。

改善対策やサービスキャンペーンとの違いは?

次は、改善対策やサービスキャンペーンとの違いはどうなのかです。

界全体対策との違い

改善対策とリコールの大きな違いは道路運送車両の保安基準に規定されているかどうかです。

リコールというのは「保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合していない状態」の場合だからです。

とはいえ、不具合が発生した場合に安全確保や環境保全の観点から看過できない状態になり、原因が設計又は製作過程にある場合はメーカーは必要な改善措置を取らないとならないのです。

だから、保安基準に関係なくリコールと同じような対応を取らなければならないのです。

サービスキャンペーンとの違い

サービスキャンペーンいうのはリコールや改善対策に該当しないような不具合です。

例えばトヨタのホワイトパールクリスタルシャインの塗装剥がれのような、保安基準にも安全性にも支障がないけど、さすがに放置できないという症状です。

これもリコールのページに載っているのですが、これとは別に公表されない対策もあるのです。

アルファードの30系前期型ではフロントワイパーのビビりが問題になりましたが、結局、サービスキャンペーンは適用されませんでした。

しかし、ディーラーに症状を訴えた場合には無償で交換するという取り扱いになったようです。

改善対策やサ-ビスキャンペーンではないのに、故障やトラブルに無償で対応してくれる場合って結構あるようなのです。

トラブルがあったらダメ元でディーラーに言ってみてもいいかもしれません。

まとめ:日産ノートはリコールが多いって他車と比べてどれくらい?

この記事でお伝えした「日産ノートはリコールが多いって他車と比べてどれくらい?」のポイントを簡単にまとめました。

  • 日産ノートのリコールはe-POWERシステム関連の不具合が多い
  • 主要なリコールには発電エンジンや電子制御に関連する問題もある
  • ノートのリコール件数は日産の中でも多いがセレナよりは少ない
  • e-POWERなどの新技術を真っ先に取り入れたためだと思われる
  • ノートのリコールはイバル車と同等以上で多い部類だが、メーカーによる対応にも温度差
  • リコール情報は公式ウェブサイトや国土交通省で確認できる
  • 改善対策やサービスキャンペーンもあり、安全基準に関連しない不具合にも対応