トヨタの塗装剥がれ問題とリコール!期限切れしたらどうすればいい?

トヨタ車の所有者、特にアルファード、ヴェルファイアのような高級車所有者にとって、車の美しさは所有するの喜びの一つであり、その状態を保つことは非常に重要です。

しかし、「ホワイトパールクリスタルシャイン」という高級感に満ちた塗装を施したトヨタ車において、塗装剥がれの問題が報告されています。

この記事では、その塗装剥がれがどういうものなのかをまず説明します。

そのうえで、原因、対象となる車種、製造年などのリコールや保証期間の詳細、そして対象外の車種はなかったのかを説明していきます。

さらに、保証期間が終了した後で塗装剥がれが見付かった場合の対応について解説します。

  • トヨタの「ホワイトパールクリスタルシャイン」色の塗装剥がれとはどういうものなのか
  • 塗装剥がれのリコール(保証期間延長)と対象車種、保証期限と保証切れ
  • リコール(保証期間延長)の対象外車種は?
  • 保証切れした場合のトヨタの対応と自費修理の費用は?

トヨタの塗装剥がれのリコールや期限切れは?

トヨタ 塗装 剥がれ リコール 期限切れ

最初に、トヨタの塗装剥がれとはどういうものなのか、リコールや期限切れはどうなのか、対象外の車種もあったのかを見ていきます。

  1. トヨタの塗装剥がれとは?
  2. リコール、期限切れは?
  3. 対象外の車種もあったの?

トヨタの塗装剥がれとは?

まず、トヨタの塗装剥がれとはどういうものかです。

トヨタの塗装剥がれ問題は、「ホワイトパールクリスタルシャイン」という高級感溢れる白い光沢を持つ色の塗装特有の現象です。

この色ですよ。

引用元:https://www.goo-net.com/catalog/TOYOTA/ALPHARD/

深く重厚な色調で、アルファードなどにはぴったりの色といえ、この時期の20系だけではなく30系でも引き続き採用された色です。

この塗装色はアルファード、ヴェルファイアなどのトヨタの多数の車に採用されていますが、2008年から2015年にかけて生産された車が問題なのです。

高級車に実に似合う色で、多くの方がその洗練された外観にマッチする、引き立てるという理由でこの色を選んでいますが、思わぬ塗装の剥がれという問題が発生してしまっています。

症状は、最初は小さなひび割れや剥がれから始まりますが、時間と共にその範囲は拡大していきます。

はじめは、塗装表面に小さな気泡やひび割れが現れ、これが塗装の密着力の低下が顕在化した証拠でもあります。

日光や雨水などという、傷んだ塗装としてはシビアな環境に長時間さらされることで、小さな損傷は徐々に大きくなり、最終的には塗装が大きな面で剥がれ落ちることになります。

動画が見付かったので紹介しますが、ひどいものでしょう。

この塗装剥がれは、まず、車体の見た目が圧倒的にみっともなくなりますから、そのまま乗る方はまずおられませんが、もちろん車体の保護機能にも影響を与えます。

塗装は車体を錆や腐食から保護する重要な役割を果たしているので、塗装が剥がれた部分から錆が発生する可能性があり、これが放置されると車体の劣化を急速に進めるのです。

リコール、期限切れは?

次に、この塗装剥がれのリコールはどうなっているのか、そして、よく聞く期限切れはどうなのかです。

リコール

リコールについてですが、正式には「リコール等情報」のカテゴリーの中にはあるものの、リコールではなく「保証期間延長等のその他の情報」に分類されます。

要するにリコールではなく保証期間の延長なのです。

これが公表されたのは2019年3月ですから、問題が発生して、いろんなところで問題になってからかなり経った頃の話でした。

https://toyota.jp/recall/kaisyu/190403.html

具体的な情報は以下のとおりです。

内容

一部の車種・生産期間のホワイトパールクリスタルシャインの車両で、塗膜の中塗り塗料の濃度が低く、膜厚が薄い場合、長期の太陽光と雨水の影響で、電着塗膜と中塗り塗膜の密着性が低下し、外的負荷により塗膜が剥がれることがある。

現象が発生して修理を希望すれば無償修理対応(パンパー、ドアミラーなどは対象外)

従来の保証期間(新車を登録した日から3年以内)を延長(新車を登録した日から10年以内

対象車両

車種名 製造期間
アルファード・ヴェルファイア 2008年4月~2014年12月
ハイエース・レジアスエース 2010年7月~2014年12月
iQ 2008年9月~2014年12月
カローラルミオン 2011年8月~2015年12月
オーリス 2012年1月~2014年9月
ウィッシュ 2009年3月~2014年9月

このホームページには「対象車の含まれる車台番号」が記載されていますので、気になる方は車検証で確認してみてください。

ただ、この措置が公表されたときには、既に「新車を登録した日から10年以内」に延長された保証期間を超過した車も発生していたのです。

期限切れ

期限切れについてですが、これはいくつかに分類されます。

措置が出た時点で既に補償対象外

まず、この措置が出た時点では、既に補償対象外になっている車があり得ました

しかし、さすがにこれは問題になって、2019年12月末までは、10年超過車も保証する取り扱いをすることになったのです。

このため、2009年以前の登録車でも症状が発生していたら、これで救われたわけですし、そんな方も方も多かったようです。

措置が出たことを知らなかった場合

措置が出たことを知らなかった場合もあるようです。

この取り扱いはリコールではありませんので、ユーザーに通知されていませんし、ディーラーから何も聞いていない方もおられるかもしれません。

「当該現象が発生し、修理をご用命の場合」の対応ですから、顧客から話が無ければ、道義上はともかく対応する必要はないのです。

ディーラーから話があったら、塗面をチェックして、劣化の兆しがあれば修理してもらえたのでしょうが、期限を超過したらどうしようもありません。

10年超過してから塗装が剥げた

10年超過してから塗装が剥げた場合も対象外です。

この塗装の剥がれは早期に発生する場合が多いのですが、塗装の品質の悪さと長期間の太陽光、雨水が相まって発生するものです。

このため、10年を超えて発生しても施工不良が原因のような気もするのですが、残念ながら対象外です。

まだ新車登録から10年経過していないアルファードもありますので、塗面を確認して、塗装剥がれの症状や予兆ががあるようなら直ちにディーラーに持ち込みましょう。

私の経験では、赤色ならともかく、パールホワイトなら10年経過くらいでは塗装剥がれなどまず起きないと思うのですが。

対象外の車種もあったの?

次に、対象外の車種もあったのかです。

トヨタの塗装剥がれ問題への対応は、特定のモデルと製造期間に限定されています。

このため、同時期にホワイトパールクリスタルシャインを使用している車種が自動的に対象となるわけではありません。

この時期にホワイトパールクリスタルシャインを使っている車で、塗装剥がれの報告があるにもかかわらず対象とならなかった車は以下のようなものです。

  • ハリアー
  • ヴァンガード
  • プリウス
  • ノア
  • ヴォクシー
  • シエンタ

対象外とされる車種については、トヨタ自動車が塗装の品質管理基準に基づいて判断しているようです。

ただ、頻度はともかく実際に塗装剥がれが発生していることは間違いなく、ユーザーからは強い不満の声も聞こえます。

言ったからといって対応される可能性は低いのですが、塗装剥がれがあれば、まずディーラーに相談してみましょう。

トヨタの塗装剥がれのリコールで期限切れしたらどうすればいい?

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ここでは、トヨタの塗装剥がれのリコールで期限切れしたらどうすればいいか、トヨタの対応とユーザーがすべき対応を説明していきます。

  1. 期限切れした場合のトヨタの対応は?
  2. リコールが使えなかったらどうする?

期限切れした場合のトヨタの対応は?

まず、期限切れした場合のトヨタの対応はどうかです。

塗装剥がれに関する無料修理の期限が終了した場合、残念ながらトヨタからの無償修理サポートを受けることはできません

トヨタはユーザーに対して、公式ディーラー等信頼できる修理工場に車両を持ち込んで、専門的な診断と見積りを受けることを勧めているようですが、言われるまでもないことですよね。

今どき、塗面が大きく紙のように剥がれる塗装の剥がれなんてあり得ません。

延長されたとはいえ10年の保証期間を何とか再延長してほしいものですね。

リコールが使えなかったらどうする?

次に、リコールが使えなかったらどうするかです。

正確に言えば保証期間の延長ですが、これで対応してもらえなければ、自費で修理するしかありません

塗装剥がれは見栄えが悪いのは確かですが、塗装にはボディの鉄板を腐食から守るという大事な役割があるからです。

下地の電着塗装がありますから直ちに腐食はしませんが、その上に何にもありませんから、腐食が始まるのは時間の問題です。

ということは塗装してもらうしかありませんが、塗装には部分塗装と全塗装があり、全塗装も「簡易オールペン」と「オールペン」に分けることができます

部分塗装

部分塗装は、塗装が傷んだところだけを補修するわけですが、問題の塗装の場合、まだ剥がれていないダメなところも剥がしてしまう必要があります。

それから下処理して再塗装するのですが、この塗装剥がれについては、ルーフ一面、ボンネット一面という対応になるようです。

このため、結構なお値段で、ルーフで15~20万円、ボンネットで5~10万円程度の費用がかかるようです。

簡易オールペン

簡易オールペンというのは、全塗装の中でもバンパーやミラー、ラバーなどのパーツを外さないで行う簡易的な塗装のことを言います。

費用は安く済むのですが、少し注意深く見ると素人でもわかるくらいで、仕上がりはもう一つになるようです。

費用は安いとは言っても全塗装ですから、15~30万円程度はかかります。

オールペン

オールペンは、無理なく外せるパーツはすべて外して全塗装するやり方です。

パーツをすべて外せば完璧なのですが、普通は無理のない範囲で外します。

それでも手間がかかりますから、費用は40~80万円程度かかるようです。

総括:トヨタの塗装剥がれ問題とリコール!期限切れしたらどうすればいい?

この記事でお伝えしたポイントを箇条書きでまとめました。

  • トヨタの塗装剥がれ問題は「ホワイトパールクリスタルシャイン」の色に特有の現象
  • 問題のある塗装は2008年から2015年にかけて生産された車に使用
  • 塗装剥がれは初期に小さなひび割れや剥がれとして始まり、徐々に拡大し、大きな面積になる
  • 原因は塗膜の中塗り塗料の濃度が低いことで、長期の太陽光と雨水の影響で、塗膜の密着性が低下し、外的負荷により塗膜が剥がれる
  • 対応はリコールではなく保証期間延長で、ハリアー、ノア&ヴォクシーなどは対象外
  • 本来の新車登録から3年の保証期間が10年に伸びるが、保証期間切れは自己負担での修理
  • 部分塗装でも5~20万円、ちゃんとした全塗装なら40~80万円