ハリアーはSUVですから、もちろん4WDが用意されています。
高い性能を誇るダイナミックトルクコントロール4WDは当然として、燃費に配慮したハイブリッドの4WDであるE-Fourも用意されています。
経済性を考えればE-Fourに心が動きますが、その性能は気になります。
ここでは、まず、ハリアーE-Fourの4WDとして一番大事な雪道やスタックでの性能はどうなのかをチェックしていきます。
また、ロードツアラーという性格も持つハリアーでは高速走行時の性能も重要なので、そのあたりもあわせてチェックしておきましょう。
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新型ハリアーのE-Fourと雪道やスタックでの性能はどう?
まず、新型ハリアーのE-Fourとはどういうものかを説明したうえで、雪道やスタックでの性能はどうなのかをチェックしておきましょう。
- 新型ハリアーのE-Fourとはどういうもの?
- 雪道やスタックでの性能は?
新型ハリアーのE-Fourとはどういうもの?
まず、ハリアーのE-Fourはどういうものか、システムやパワーユニット、メカニズムを簡単に説明しておきましょう。
E-Fourとはどういうシステム?
最初に、E-Fourとはどういうシステムなのかを説明しておきます。
トヨタのハイブリッド車の4WDシステム、E-Fourは、2WDのハイブリッドシステムに後輪駆動用のモーター等を加えたものです。
これがハリアーのハイブリッドの2WDのシステムです。
引用元:https://toyota.jp/harrier/
ハリアーのものが見付からなかったのですが、これがRAV4のE-Fourのシステムの画像です。
ハリアーも同じだと思われます。
引用元:https://toyota.jp/rav4/
後輪用にリアインバーターとリアトライアスクル&モーターが追加されているのがわかりますね。
ガソリン車の4WDのようなドライブシャフトはありません。
ハイブリッドの4WDでもホンダなんかはエンジンとモーターの駆動力をドライブシャフトで後輪に伝えます。
E-Fourの場合はドライブシャフトは使わず、後輪用のモーターで駆動するのです。
ハリアーのE-Fourのパワーユニットは?
次は、ハリアーのE-Fourシステムを駆動するパワーユニットの能力です。
ここでは、ハリアーのE-Fourのパワーユニットとスペックをお示ししておきます。
4WD車の性能を見るためにはパワーユニットの性能はとても大事なのです。
ここでは、参考のため2WDのデータも記載しておきます。
区分 | 2WD | E-Four | |
---|---|---|---|
エンジン | |||
形式名 | A25A-FXS | A25A-FXS | |
種類 | 直列4気筒DOHC | 直列4気筒DOHC | |
排気量 | 2,487cc | 2,487cc | |
最高出力 | 178ps(131kW)/5700rpm | 178ps(131kW)/5700rpm | |
最大トルク | 22.5kgm(221Nm)/3600~5200rpm | 22.5kgm(221Nm)/3600~5200rpm | |
前輪モーター | |||
形式名 | 3NM | 3NM | |
最高出力 | 120ps(88kW) | 120ps(88kW) | |
最大トルク | 20.6kgm(202Nm) | 20.6kgm(202Nm) | |
後輪モーター | |||
形式名 | 4NM | ||
最高出力 | 54ps(40kW) | ||
最大トルク | 12.3kgm(121Nm) | ||
システム総合出力 | 218ps(159kW) | 222ps(163kW) |
E-Fourのメカニズムはどんなもの?
さて、E-Fourのメカニズムはどんなものなのでしょうか。
ハリアーのE-Fourは通常は燃費性能に優れる2WDで走行します。
しかし、発進時と滑る路面やコーナリング時だけ、後輪モーターで駆動力を発生させ、4WDになるのです。
引用元:https://toyota.jp/corollatouring/
雪道やスタックでの性能は?
では、そんなハリアーのE-Fourの雪道やスタックでの性能はどんなものでしょうか。
雪道での性能は?
まず、雪道での性能です。
ハリアーの4WDは高性能なアクティブトルクコントロール4WDです。
路面や運転の状況に応じ、滑る予兆を見て、タイヤが滑り出す前から2WD(100:0)から前後輪直結4WD(50:50)まで可変することができます。
モーターではありませんので、どんなに長い時間でも4WD走行が可能ですし、旋回時にドライバーが意図するターゲットラインに入るような制御までしてくれます。
EーFourの場合は雪道とはいえ、常時4WDで走ることは想定していませんから、雪道の走破性は限定されたものです。
ただ、新雪やドカ雪などの厳しい条件下でない普通の雪道ならE-Fourでも十分にこなせますし、口コミを見ても困ったという投稿はほとんどありません。
スタックは抜け出せる?
では、ハリアーの4WDはスタックからの脱出はできるのでしょうか。
スタックは、雪なんかにタイヤがはまりこんで、車輪が空転してしまい、前にも後ろにも動けなくなる状態です。
タイヤが空転するせいで、駆動力は路面に伝わらず、アクセルを踏み込むと空しくタイヤは空転するだけなのです。
ただ、軽度のスタックなら、TRC(トラクションコントロール)を切って切って、前輪周辺の雪を取り除き車輪の下に木や石などの固定物を置き、静かにアクセルペダルを踏み込めばどうにかなります。
スタックしたときにTRCが作動すると、アクセルを踏んでもエンジン出力が上がらないのです。
本格的にスタックした場合は、TRAILモードの無いハリアーE-Fourでは無理です。
ガソリン車の4WDの場合、普通は前後輪の間にはデファレンシャルギヤが入っています。
ここで前後の回転数の差を逃がしてやるという4WDには必須の装備ですが、これがあるためにスタックした前輪だけが回ってしまいます。
ガソリン車の4WDなら、このデファレンシャルギアをロックしてしまえば、後輪に駆動力が発生し、スタックから脱出できるのです。
同じE-Fourでも、RAV4の場合にはデフロックのかわりにTRAILモードというものがって、後輪の駆動力を確保できるのですが、ハリアーにはこれがないのです。
もっとも、ハリアーの場合はガソリン車の4WDでもRAV4のようにROCK & DIRTモードのようなデフロックに近いモードは選べませんから、E-Fourだけの問題ではないかもしれません。
ハリアーE-Fourの高速走行での性能は?
では、ハリアーE-Fourの高速走行での性能はどうなのでしょうか。
トヨタのE-Fourはもともとはアルファードのような大型の車の発進時の加速性能と安定性を確保し、あわせて滑りやすい路面の走行性能を確保するという設計思想でした。
また、バッテリーの容量や燃費の問題もあり、4WD駆動するのは発進から時速20キロまでとタイヤが滑った時に限られています。
さらに、E-Fourが作動するのは時速70キロまでに限定されます。
このため、ハリアーE-Fourの場合、高速走行で4WD駆動することはなく、ここは性能以前の問題なのです。
まとめ
この記事では、ハリアーE-Fourの雪道やスタックでの性能はどうなのか、高速走行ではどうなのかを見てきました。
ハリアーE-Fourはフルタイム4WDではありながら、常時4WDで走行することは考えておらず、普通の雪道では問題ありませんが、ハードなシチュエーションでは不安が残りますね。
また、ハリアー自体、スタックするような状況への対応は考えていないので、RAV4のTRAILモードのようなものもなく、スタック脱出については厳しいと考えた方がいいでしょう。
高速走行時には4WDとしては機能しませんから、高速走行時にも4WD走行する車がいいなら、時速150キロまで対応するという第5世代E-Fourの搭載を待つしかないでしょう。
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