ヴェルファイアはアルファードと並んで、その豪華さと高い性能で多くのファンがいますが、同時に盗難のリスクも高いものがあります。
また、盗難されやすいグレードが存在するらしく、その理由と対策はオーナーにとって重要な関心事です。
ここでは、ヴェルファイアの盗難は多いのかどうかを検証し、その理由を説明していきます。
また、どのグレードが盗まれやすいのかも見ていきます。
後段では、ヴェルファイアを盗む盗難犯の手口と、そうした手口を踏まえた盗難防止対策を説明していきます。
読者の大事なヴェルファイアを盗難犯から守る一助にしていただけたらと思います。
- ヴェルファイアの盗難は多いのかどうかとその理由
- ヴェルファイアの盗難されやすいグレード
- 盗難の具体的手口
- 手口に対応した盗難防止対策
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詳細を下記の記事で説明していますので一度確認してみて下さい。
ヴェルファイアの盗難は多い?グレードは?
最初は、ヴェルファイアの盗難は多いのか、なぜ盗まれるのか、盗難の多いグレードはどれなのかを説明していきましょう。
- ヴェルファイアの盗難は多い?
- ヴェルファイアはなぜ盗まれる?
- ヴェルファイアで盗難の多いグレードと理由は?
ヴェルファイアの盗難は多い?
まず、ヴェルファイアの盗難は多いのかです。
これは日本損害保険協会が毎年実施している自動車盗難事故実態調査結果を見ればわかります。
過去5年間の調査結果を見ていきましょう。
区分 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|
順位 | 9 | 8 | 8 | 圏外 | 7位 |
件数 | 84 | 74 | 41 | ― | 43 |
構成比 | 2.2% | 2.5% | 1.7% | ― | 1.7% |
- ランドクルーザー
- アルファード
- プリウス
- レクサスLX
- ハイエース
- クラウン
- ヴェルファイア
- レクサスRX
- ハリアー、メルセデスベンツ
ヴェルファイアはなぜ盗まれる?
次に、なぜ盗まれるのかです。
ヴェルファイアが頻繁に盗難の対象になる主な理由は、その高級感あふれる内装と優れた機能に加え、国内外での高い市場価値にあります。
特に、マレーシアをはじめとする海外市場では高い人気に加え、現地で新車販売されている車両が、新型ヴェルファイアが438,000リンギットもするのです。
1マレーシアリンギットは2024年4月20日時点で32.32596日本円ですから、1,416万円です。
このモデル、日本と違って2.4Lターボではなく、2L自然吸気エンジンです(マレーシアでは逆にアルファ―ドが2.4Lターボ)。
セカンドシートはエグゼクティブパワーシートのようですが、JBLプレミアムサウンドシステムが付いていますから、Zプレミアよりも少し豪華かもしれません。
それにしても、ヴェルファイアのZプレミアが655万円ですから、多少経費がかかっても輸入するメリットは大きいのです。
盗難車になって海外に不正輸出されると、現地の市場価格との差から大きな利益を得ることが可能です。
このように、国内外で高い人気がありますので、高価格で、しかも短時間で換金することが可能になります。
これは足が付きにくいということにもなり、速やかに船に乗せてしまえば、もはや追跡は困難なのです。
ヴェルファイアの盗難が多いグレードと理由は?
次は、盗難の多いグレードと理由はどのあたりかです。
ヴェルファイアの盗難が多発している背景には、特定のグレードへの高い需要があります。
中でも30系でいえば「Z’Gエディション」などの高価で装備が充実しているモデルが標的にされやすく、これは日本国内だけでなく、マレーシアを含む海外市場でも同様です。
また、海外向けではハイブリッド車は敬遠され、2.5Lガソリンモデルが人気です。
国内でも海外ほどではありませんが、同様の傾向はあるようです。
エグゼクティブラウンジ系などの高級モデルは、豪華ではあるものの高い関税が課されるため、一部の市場では敬遠されることがあります。
「Z’Gエディション」のようなグレードはリセールが高いため高価で換金でき、時間をかけずに処分することができます。
海外との商談もすぐに決まるうえに、人気グレードだけにターゲットを探すのも難しくありません。
このため、このようなグレードの盗難が多くなってしまうのです。
ヴェルファイアの盗難されやすいグレードをどう守る?
ここでは、アルファードの盗難されやすいグレードをどう守るということで、盗難犯の手口をチェックし、それを踏まえた盗難防止対策を説明していきましょう。
- 盗難犯の手口は?
- 手口を踏まえた盗難防止対策は?
盗難犯の手口は?
まず、盗難犯の手口はどんなものかです。
盗難犯は様々な高度な技術を用いて自動車を盗み出します。
特に知られているのがリレーアタック、CANインベーダー、物理的開錠、コードグラバー、OBDからの侵入です。
これらの手口により、盗難犯たちは高価なヴェルファイアを短時間で盗み出すことが可能なのです。
リレーアタックによる盗難
リレーアタックは、スマートキーの信号を中継器を使って延長し、車の近くにいなくてもドアを開錠しエンジンを起動させる手口です。
盗難犯は通常、二つのデバイスを使用し、一つは車から離れた場所で家の中にあるスマートキーの信号を受信し、もう一つは車の近くでその信号を車に送信します。
この方法により、セキュリティシステムを騙して車を開錠、始動することが可能となります。
CANインベーダーによる侵入
CANインベーダーは、車両のコントローラーエリアネットワーク(CAN)に不正アクセスする手口です。
CANは自動車内のコンピュータである電子制御ユニット(ECU)を接続していますが、特別な装置を使って、ここから車両の電子制御ユニット(ECU)に侵入します。
この方法で、盗難者は車両の電子的なコントロールを乗っ取り、アラームを無効化し、開錠し、エンジンを始動させることができるのです。
CANへの侵入は、車外から、例えばバンパーを外すことで可能になりますから、開錠しなくても可能なのです。
物理的開錠手法
物理的開錠は、ロックピッキングセットなどの道具を用いて直接ドアロックを解除する古典的な方法です。
この手法は技術的な知識が少なくても実行可能で、特に旧モデルの車両に対して有効です。
ただ、これだけではエンジンは始動できませんので、後述する別の手口を組み合わせる必要があります。
コードグラバー
ヴェルファイアのオーナーがキーレス機能を使ってドアを開施錠した瞬間に、操作で発する電波を遠方からグラブ(掴む)して、ドアロック解除機能を盗み取る手口です。
エンジンの始動も可能という情報もありますが、一般的には開錠までですので、エンジンは始動には後述する別の手口が必要です。
OBDからの侵入
OBD(オンボード診断)ポートはどの車にもありますが、盗難犯は車両のOBDにアクセスしてECUを操作し、車のセキュリティ設定を変更することができます。
これにより、新しいキーを有効にしたり、セキュリティシステムの無効化が可能となります。
この方法は技術的な知識を要しますが、対策が講じられにくいため、新旧問わずあらゆる車種に有効です。
手口を踏まえた盗難防止対策は?
次に、先ほど紹介した手口を踏まえた盗難防止対策はどうすればいいいかです。
リレーアタック対策:遮断材料を使用したキーケースやキーボックス
リレーアタックはキーレスエントリーシステムを悪用する盗難手法で、遠隔からの信号中継を通じて車を不正に開錠します。
この攻撃を防ぐ最も簡易な方法は、車の鍵を電波遮断機能を備えたキーケースやキーボックスに入れて保管することです。
これにより、鍵から発信される電波が外部に漏れるのを阻止し、不正解錠を防ぐことが可能になります。
CANインベーダー対策: トヨタ純正セキュリティシステムの導入
CANインベーダーは、車両の内部通信ネットワークに侵入し、車の制御を奪う技術です。
この攻撃が厄介なのは、車を開錠することなくECUに侵入できることで、対策を講ずるのが難しいのです。
トヨタはこのような高度な攻撃に対抗するために純正セキュリティシステムを提供しています。
このシステムは、車外からCANに不正侵入して流し込まれる信号を遮断するパーツを付けて開錠やエンジン始動をできなくするのです。
価格は17,050円からで、標準取り付け時間が0.7~1.4時間ですから、取り付け工賃を含むと最大で3万円程度となります。
他の対策と比べると手頃な価格で高い安全性を確保することができます。
物理的開錠対策:アラームシステムの導入
物理的な手段による車両盗難に対抗するには、高性能なアラームシステムの導入が効果的です。
窓ガラスの破壊やドアの強制開錠など、不正なアクセスが試みられた場合にはアラームが鳴り、盗難を未然に防ぐことが可能です。
これにより、犯罪者は盗みの現場から迅速に離れることを余儀なくされます。
OBD侵入対策: OBDブロック装置の利用
OBDポートは診断用のインターフェースですが、不正なデバイスを介して車両の制御情報が盗まれることがあります。
OBDブロック装置、製品名はOBDガードとも言いますが、これを設置することで、これらの不正アクセスを物理的に阻止し、車両のセキュリティを強化することができます。
値段は結構高くて、この製品なんかは税・送料込みで17,940円です。
車内侵入後の乗り逃げ防止対策: 物理的ロックの強化
車内侵入後の乗り逃げ防止対策としては、ステアリングロック、タイヤロック、ブレーキロックを設置することが推奨されます。
これらのロックは、盗難車両の運転やエンジン始動そのものを物理的に困難にし、盗難後の逃走を防ぐ効果があります。
盗難通報と追跡システム:GPSトラッキングの活用
GPSトラッキングシステムを用いることで、盗まれた車両の位置をリアルタイムで追跡し、迅速な回収を支援することができます。
また、盗難発生時には自動的に警察やオーナーに通報される機能も備えているため、即座に対応することが可能です。
このシステムは特に高価な車両や盗難リスクが高い地域において重要な安全対策となります。
トヨタの「マイカーSecurity」システム
トヨタの「マイカーSecurity」は、車両の安全を守るための総合的なセキュリティソリューションです。
このシステムは、アラーム機能、自動通報システム、および車両の追跡機能を統合しています。
具体的には、不正アクセスが検出された場合にアラームが鳴り、車両の位置情報が所有者や警察に自動的に通報されます。
アラーム機能の詳細
「マイカーSecurity」に含まれるアラームシステムは、ドアの強制開錠やガラスの破壊、車両の不審な動きを感知した際に大音量で警告音を発します。
このアラームは周囲に即座に警告を発し、犯人の威嚇及び周囲への警告を行うことが目的です。
通報システムの機能
万が一の盗難時には、車両からの自動通報システムが即座に所有者のスマートフォンアプリに警告を送信し、同時に最寄りの警察署にも通報されます。
これにより、迅速な対応が可能となり、盗難車両の追跡と回収の確率が向上します。
GPS追跡機能
このシステムにはGPS追跡機能も搭載されており、車両の正確な位置をリアルタイムで追跡できます。
オーナーは専用のスマートフォンアプリを通じていつでも車両の位置を確認でき、盗難された場合にはその位置情報を警察に提供することで、車両の迅速な回収を支援します。
価格と利用条件
「マイカーSecurity」の価格は設定によって異なりますが、基本的なパッケージであれば5年パックで約3万円程度のようです。
車両保険の重要性:経済的リスクの軽減
万一の車両盗難に備えて、適切な車両保険に加入しておくことは極めて重要です。
盗難保険は、車が盗まれた際の経済的損失をカバーし、被害者が直面する金銭的負担を軽減します。
多くの保険会社では、盗難による損害だけでなく、盗難後の車両の損傷に対する補償も提供しています。
保険の詳細やカバー範囲はプランによって異なるため、自身のニーズに合ったプランを選ぶことが重要です。
これらの対策を組み合わせて使用することにより、自動車盗難のリスクを大幅に低減することができます。
最新のセキュリティ技術と適切な物理的対策を施すことで、愛車を守るための堅固な防衛ラインを構築することが可能になります。
総括:ヴェルファイアの盗難されるグレードと対策
この記事でお伝えしたポイントを箇条書きでまとめました。
- ヴェルファイアの盗難は国内では常時10位以内に入るほど多い
- 国内外で高い人気を誇り、特にマレーシアで人気で新車価格が高額である
- 高値で短期間に換金でき、足の付きにくい海外の人気が高いのが盗難されやすい理由
- 盗難の多いグレードは装備が充実し、市場価値が高い「Z’Gエディション」
- 盗難の手口はリレーアタック、CANインベーダー、物理的開錠、コードグラバー、OBDからの侵入
- 盗難防止対策としては、物理的なセキュリティ強化や最新のセキュリティシステムの導入、それも複数が推奨